こんにちは。
最近雨が続き肌寒い日が続いていますが、みなさん体調を崩されてはいませんか??
今回ご紹介するのは、天海大僧正ゆかりのお寺、「龍興寺」をご案内いたします。
龍興寺は、嘉祥年中(848~50)慈覚大師(じかくたいし)によって開かれました。
正式には「天台宗・道樹山龍興寺玉泉院華芳坊」といい、慈覚大師が唐に渡った時、揚州にある龍興寺に行ったが、その地形が会津の高田とよく似ていたところから、同じ寺名の「龍興寺」と名付けたと言い伝えられています。
本尊を阿弥陀如来とされ、建物の跡の土中から掘り出された千体観音が寺内に奉安されています。
そして福島県にある三つの国宝のうちの一つが龍興寺「一字蓮台法華経開結共」です。
この経巻は、もとは10巻ありましたが、残念ながら第6巻の部分が欠けて9巻が保管されています。
これは、法華経と開経・結経とを書写したものです。
平安時代に写されたもので、緑青・群青・朱・黄土・金・銀泥で綺麗に彩色された蓮台に、一字一字全て丁寧に書き写されています。
用紙は斐紙(雁皮紙)と呼ばれる虫食いや防湿性に優れた極上の紙を用いており、縦が29cm、全長は9m90cmに及びます。
総字数69,384字の楷書で書かれ、一字ごとに祈りを込めて書く願経で、それこそ命を捧げつくして写経した人々の極楽浄土を現したいという願望が強く感じられます。
特に、第3巻と第6巻はおそらく女性の筆ではないかと言われています。
この法華経が平成の世にまで残っていたことは奇跡に近いとされています。
この種の写経は好事家によりズタズタに切り取られ、散逸してしまうのが常であり、それがこのように現存した理由の一つは、天台宗の基本経典である法華経だったので、代々の住職により大切に守り伝えられたのでしょう。
次回は龍興寺と関係の深い天海大僧正についてご紹介したいと思います。
みなさん、お楽しみに★
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