2021.03.24

「会津美里町にしかない魅力を学ぶ」 イベントレポート

2021年2月27日(土)、会津美里町の新旧のスポットを訪ね、体験し、インプットした情報を自らの言葉でSNS等を使って発信することを目的とした町内ツアー型イベントを高田地域にて開催いたしました。その様子を参加者のSNS投稿とともにお届けします。

会津のルーツ「伊佐須美神社」を知る

当日集まったのは、会津美里町地域おこし協力隊を含む4名の参加者の皆さん。まずは、岩代国一之宮として、また、「会津」のルーツとして古くから地元の人に信仰されてきた伊佐須美神社へ。

古くから地元の人々に「伊佐須美さま」と呼ばれて親しまれる伊佐須美神社。しかし、これまで何度も訪れていても、「実はあまり歴史を知らない」「宮司さんのお話をお伺いしたことはない」という参加者の皆さん。そこで、今回は思い切って、宮司さんに伊佐須美神社の成り立ちやお仕事についてインタビューさせていただくことに。

2100年前に創建されたとされるこの歴史ある神社。宮司さんによると、日本最古の歴史書『古事記』には、崇神天皇の時代に治安維持のため北陸道と東海道からそれぞれ進軍した父子が偶然にもこの地で行き会ったことから、「会津」という地名の起源になったと記され、その父子が伊弉諾尊(いざなぎのみこと)と伊弉冉尊(いざなみのみこと)を祀り、伊佐須美神社が生まれたと言われているそうです。

かつては36人もの神職が務めていたという記録もあるほど、多くの人々の信仰を集めてきた場所。すると、「実はもうひとつ、会津に神社が生まれた理由があるんです」と宮司さん。

「ここは昔から盆地に囲まれ、綺麗な川が流れ、作物が育つ豊かな土地でした。人が住みやすい条件が揃っていたから、信仰の地として選ばれたのです。地域の皆さんには、ぜひその背景も知って欲しいですね」

宮司さんのお話を通して、改めて地域の豊かさを実感することとなりました。

まちの映画館「新富座」の新たな挑戦

続いては、創業103年の映画館がリノベーションされ、地域コミュニティ活動の場として復活した「新富座」。管理者の斎藤成徳さんに「どうぞこちらへ」と案内されて向かったのは、2階の映写室。

部屋の真ん中にドーンと置かれていたのは、当時使われていたというカーボン式映写機。参加者から「こんなの初めて見た!」「まさに映画『ニュー・シネマ・パラダイス』の世界ですね!」と驚きの声が上がります。続いて1階に降りると、かつて観客席だった場所は座席が取り外されて広々とした雰囲気。新しいスクリーンが取り付けられ、壁一面には昭和映画のポスターやチラシがびっしり。貼られているのは、すべて齋藤さんの個人コレクションなのだそう。

実は齋藤さん、会津ご出身ではなく、東京のご出身。根っからの映画好きで、東京で暮らしていた頃はマンションの部屋が埋まるほど映画のポスターやチラシ、レコードなどを集めていたそう。ある日、知り合いから会津美里町に古い映画館が残っていると聞き、見に行ってみることに。それが、齋藤さんの人生の大きな転換点となりました。

「ひと目惚れでした。この映画館が取り壊されもせず、100年以上存在しているのは奇跡に近い。建物の管理を引き継ぐ形で、ぼくがこの映画館を復活させるようと決意しました」

その後、2019年に只見町に移住。館内の荷物も当時のままだったため、最初はひとりで片付けから始めたそうですが、次第に齋藤さんの活動を耳にした地域の方たちから差し入れが届いたり、掃除に参加してくださったり、新富座の思い出を聞かせてくれたりするようになったそう。

まちの人たちから聞こえてきたのは、娯楽の少なかった時代、新富座が地域の人たちにとってどれほど楽しみな場所だったかということ。映画だけではなく、芝居や歌謡ショー、コンサートなども行われ、子どもから大人たちで賑わっていたこと。気が付けば、新富座の復活を応援してくれる人の輪が少しずつ広がっていきました。

残念ながら、現在は消防法の規定により映画館としての営業は難しいそうですが、「この建物を地域の交流の場として運営しながら、いつか乗り越えて映画館として再開したい」と齋藤さん。かつての新富座の歴史に思いを馳せながら、これからの活用方法について、参加者と一緒に想像を膨らませる時間となりました。

伝えたいターゲットを描き、自分の言葉で届ける

ツアーの後は、さっそくSNSの投稿づくり。まずは、参加者がインタビューのなかで心に残ったことを短いテキストにまとめ、各所で撮影した写真のなかから添えたいものを選びます。

ポイントは、その情報をどんな人に届けたいのか、ターゲットを具体的に想像しながらテキストをつくること。例えば、伊佐須美神社なら神社ファン、新富座なら昭和映画や古い映画館好きに対してフックとなるワードも一緒に添えてみる。他にも、まちの名前や住所、アクセス情報などを、テキストやハッシュタグ、URLで加えておくと、情報の質がぐっと高まります。もちろん、「#会津美里の日々」を付けるのを忘れずに。

SNSにアップされた参加者たちの投稿がこちら。

会津美里町の新旧のスポットをめぐって、参加者たちは「ようやく伊佐須美神社の歴史を知れて嬉しい」「新富座の齋藤さんの熱い思いを、多くの人たちに届けたい!」「もっと色んなまちの人たちの話を聞いてみたい」など、それぞれインタビューの手応えを感じた様子。

自らスポットを訪ね、改めて話を聞き、存分に体験することで、ようやく自分らしい言葉で魅力を発信することができる。それが、会津美里町をより良く紹介する力に繋がります。

文:『会津美里の日々』編集室

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