集めた素材からメディアをつくる
会津美里町情報発信人材育成の取り組みとして、「発信をする人を増やす」ことを目的として開催しているプロジェクト『会津美里町 まちの編集室』。
半年間に渡って開催したワークショップも、いよいよ最終回。これまでの学びを振り返りつつ、参加者はまちの魅力を伝える手書きにて、「かわら版」のベースづくりに取り組みました。
それぞれの発信から見えてきたまちの光景
「まちの編集室」の参加者を中心に、Instagram上で「#会津美里の日々」を付けたそれぞれが発見したまちの魅力の発信は広がりを見せています。投稿件数は、2018年2月7日時点で250件以上。会津美里町の「今」の光景がひと目で見えるようになっています。
この魅力をスマホやPCを持っていない人、Instagramに参加していない人、偶然に出会う人、もっといろんな人に見てもらいたい。そこで、『会津美里の日々』のサイト上でのダウンロードやまちなかでの配布が可能な「かわら版」を作成することに。
まちの「好き」を発信
まずは、チームごとにお題を決めます。
ひとつ目は「会津美里を知るために巡る8の場所」、ふたつ目は「会津美里を知るための10のこと」。「#会津美里の日々」として集まった投稿のなかから会津美里の魅力としてまず知ってほしいと思うものを厳選し、より伝わる情報へと編集するために、レイアウトを考え、見出しを付け、テキストを制作します。
「もっといい言い方があるはず」
「なんだかしっくりこない」
「これで本当に伝わるかな……?」
悩む参加者たちの横顔は、真剣そのもの。
紙面に編集する際のポイントとなるのは、
- テーマを軸に、より伝わる素材を厳選すること
- 素材のなかの優先順位を決め、重複や不足がないか何度も見直してみること
- 強弱を意図し、目を引く見出しをつくり、インパクトと見やすさを持って配置すること
- 端的でありながら、読者の理解度高く楽しく読めること
- 十分な情報を備えたページにすること
ページの裏面は、自分の好きなお題で自由に構成してもらうことに。会津に飛来する白鳥に心惹かれて撮り続けているという坂井さんは、これまでの膨大な作品のなかからまだまだ知られていない白鳥たちの営みや、会津美里の美しい雪景色のなかに見る愛らしい姿を伝えられる姿をセレクト。参加者それぞれのまちに対する想いが込められた市民目線ならではのかわら版が完成しました。
「まちの魅力を発信する」と聞くと、なんだか構えてしまいがち。しかし、大切なのは日々の暮らしのなかにあるまちの姿に目を向け、面白い、知ってほしいと思ったら気軽に発信してみること。まちの魅力は、そんな一人ひとりの想いから伝播していくものなのです。
文:原山幸恵(tarakusa)