「ここにしかないもの」を発信する
会津美里町情報発信人材育成の取り組みとして、「発信をする人を増やす」ことを目的として開催しているプロジェクト『会津美里町 まちの編集室』。
2018年の9月から半年間に渡って開催したワークショップも、いよいよ最終回。これまで参加者の皆さんには「会津美里町 まちの編集室●●担当」としてInstagramで発信を続けていただきました。今後、まちの魅力をより多くの人に届けるためにはどうしたらいいのか。まちの観光資源となるコンテンツをみんなでディスカッションします。
発信を続けて見えてくるもの
「まちの編集室」の参加者を中心に、Instagram上で「#会津美里の日々」を付けたそれぞれが発見したまちの魅力の発信は広がりを見せています。投稿件数は、2019年2月1日時点で1,331件以上。会津美里町の「今」の光景がひと目で見えるようになっています。
この情報を会津美里町のことを知らない人たちにも見て欲しい。そして、会津美里町に足を運んで欲しい。そのために必要なアクションとは?
まちの未来図を描く
「ここで一度、皆さんと発信の先にあるゴールを再確認したいと思います。『まちのファンが増えて欲しい』『自分のまちがこんな風に認知されたら嬉しい』など、それぞれ描いているゴールがありますよね。その上で、『どんな人だったらこのまちを楽しんでくれるかな?』とターゲットを具体的に想定してみてください」
ターゲットによって情報発信のアプローチは変わるもの。例えば、都内在住でさまざまな窯元を巡っている器好きな30代女性に本郷焼きのことを知ってもらおうと思ったら、ハッシュタグ「#本郷焼き」だけではなく、「#器」「#陶芸」「#窯元」など、フックとなるワードも一緒に添えてみる。それだけで、出会いのチャンスが増えるはずです。
「ポイントは、彼女たちがInstagram内でどんなワードを入れて検索するのか想像してみること」と柿原。ターゲットがアクションを起こすまでの流れを一つひとつ紐解きながら、確実に届く道筋を考える。発信する上で覚えておきたいポイントです。
どんな人に来て欲しい?
後半は、チームに分かれてディスカッション。これから会津美里にきて欲しいターゲットを具体的に想定しながら、その人が喜びそうなコンテンツをみんなで考えます。
ディスカッションで出てきたアイデアは、ざっとこんな感じ。
●御朱印ガール
【ターゲット】20〜30代の独身女性。御朱印を集めるのが好き。地元の人とお喋りするのも好き。
【コンテンツ案】伊佐須美神社で御朱印をもらった後、和菓子屋「山喜屋」で名物の高田せんべいのつくり方を学ぶ。
グループからのコメント:
「伊佐須美神社がある高田地区といえば、高田せんべいが有名。実際にせんべいを焼く様子を見ながら、地元の人たちとお喋りを楽しんでもらいます」
●陶芸好き女子
【ターゲット】30〜40代の独身女性。器が好き。まち歩きが好き。
【コンテンツ案】窯元で陶芸体験&まち歩き
グループからのコメント:
「窯元で陶芸体験をした後、地元を愛するガイドが本郷エリアを紹介。すでに開催しているイベントで、リピーターも続出しています」
●発酵女子
【ターゲット】20代の独身女性。発酵食品や文化に興味がある。
【コンテンツ案】発酵ワークショップ、田舎暮らし体験
グループからのコメント:
「地元のおばあちゃんたちから郷土料理の三五八漬けを学んだり、野菜の収穫を手伝ったり。会津美里の日常をどっぷり味わってもらいます」
他にも、歴史好きな女性に向けた「向井羽黒山の山城歩きツアー」など、会津美里ならではの魅力的なコンテンツがたくさん提案されました。こちらのコンテンツは、これから実現に向けて動き始めていく予定です。
「ターゲットを明確に想定すると、発信すべき形が見えてくる」と柿原。発信された情報が点として浮かび上がり、それを繋いでルートをつくる。会津美里町ならではのツーリズムの形が見えてきました。
文:原山幸恵(tarakusa)